AIR-range
概要
空中像はディスプレイのハードウェアから離れて表示することのできる映像であり,裸眼で観察できる.空中像を表示する光学素子として dual slit-mirror arrays (dual SMAs) があるが,表示できる空中像の大きさは dual SMAs の大きさにより制限される.
この制約を乗り越える手法として,dual SMAsを挟んで面対称に鏡を配置する対称ミラー構造が研究されてきた.
対称ミラー構造を成す光学系は,複数の光路を通る光線群によって1つの空中像を構成することで,ユーザがdual SMAsを直接見込まない視点からも空中像を観察可能にする.
しかし,先行研究の光学系設計では像の明るさが不連続になる問題があった.
そこで本研究では,テーブル面から中空までシームレスに観察可能な空中像を提示するテーブルトップシステム「AIR-range」を提案する.
本研究では光学系のパラメータと空中像の明るさの関係を理論化し,光路が切り替わる境界で空中像の明るさの差を最小化する光学系を設計した.
先行研究の光学系との比較実験により,輝度連続性の向上を示した.
発表論文
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[Free Access] Tomoyo Kikuchi, Yuchi Yahagi, Shogo Fukushima, Saki Sakaguchi, and Takeshi Naemura: “AIR-range: Designing optical systems to present a tall mid-AIR image with continuous luminance on and above a tabletop”, ITE Transactions on Media Technology and Applications, vol. 11, no. 2, pp. 75–87 (2023.4).
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Tomoyo Kikuchi, Yuchi Yahagi, Shogo Fukushima, Saki Sakaguchi, and Takeshi Naemura: “AIR-range: Arranging optical systems to present mid-AIR images with continuous luminance on and above a tabletop,” 2022 IEEE Conference on Virtual Reality and 3D User Interfaces Abstracts and Workshops (VRW) (IEEE VR), A-C43, Virtual Event (2022.3). 🎖️ Best Poster - Nominee
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[Free Access] 菊池知世, 矢作優知, 福嶋政期, 阪口紗季, 苗村健: “AIR-range: 輝度連続性を考慮した空中像のテーブル面から中空までの配置手法,” 第26回日本バーチャルリアリティ学会大会論文集, 1D3-3 (2021.9).
主な担当箇所
受賞歴
- Best Poster - Nominee, IEEE VR 2022, 2022.3.